CHANOYU - the Timeless Art of the Tea Ceremony


日本が世界に誇る「茶の湯」

セレンデュース・クラフツは、「日本の工芸品との出会いを創る」というミッションのもと、伝統工芸の技術継承と地域活性化を目的に、日本各地の伝統工芸とコラボレーションしたオリジナル企画展を開催しています。第3回目のテーマは『京都の伝統工芸品』。京都は多くの日本の伝統工芸品の発祥地であり、特に「茶の湯」と呼ばれるお茶文化はその代表例です。茶の湯とは、お茶を用いて客人をもてなす儀式で、現代では一般的に「茶道」として知られています。


「茶の湯」は日本の伝統文化のひとつです。この茶の湯とは、客人を招いてお茶でおもてなしをするお茶会のこと。現代では茶道と呼ばれることが一般的となっています。

そもそもこの茶の湯の文化はいつからあるものなのでしょうか。お茶自体が日本に伝来したのは平安時代といわれていますが、本格的に広まったのは少し時代が開いて室町時代。
足利将軍家など、高貴な階級で主流だった中国から伝わった茶碗や道具、書画を用いた華やかな「書院茶(しょいんちゃ)」と呼ばれる茶の湯のスタイルにはじまり、その対局にある簡素な物に美しさを見出す「草庵茶の湯(そうあんちゃのゆ)」を村田珠光(むらたじゅこう)が考案したことで茶の湯の文化が世間に広がり、少しずつ花開いていきます。村田珠光(むらたじゅこう)はわび茶の祖といわれ、武野紹鴎(たけの じょうおう )に受け継がれて、その弟子である千利休(せんのりきゅう)で「茶の湯」として開花しました。この頃になると、茶売人が登場し、茶室という言葉も使われるようになって、高貴な階級では頻繁にお茶会が開かれるようになります。


千利休が(せんのりきゅう)創り上げた茶の湯「わび茶」の精神は、高貴な階級で主流だった華やかな「書院茶」(しょいんちゃ )に対し、素朴な温もりを感じさせる備前焼や信楽焼など、庶民の生活文化に根ざした茶器を評価。質素な中にも削ぎ落とされた美しさ、そして心の充足といった精神性を重要視したものであり、現代の茶道に通じています。 














おもてなしの文化

茶の湯は客人を招いてのお茶でもてなす会ですが、「利休七則」(りきゅうしちそく) という言葉が残っているように、利休の茶道の精神、おもてなしがここには凝縮されています。
相手を思いやり、物事の本質が伝わるように心を尽くしてお迎えする、一期一会の考えが根底にあるお茶会ゆえに、その一瞬に真心を込めておもてなしをするというのが現代の茶道にも受け継がれています。
お茶会では、茶碗や道具をはじめ、お茶菓子や飾るお花、掛け軸など、客人に思いを馳せ、快適に過ごしていただけるように細かい部分にまで気を配るものです。お茶の味わいだけでなく、道具やお花、掛け軸などを含めた空間全体で客人をもてなします。


美術品としても高く評価される茶碗

お茶会に欠かせない道具のひとつが茶碗です。現代では、茶碗は美術品としても高く評価されるものであり、作者の技量や希少性に応じて価値が異なるものです。作家が制作する茶碗は、気候や窯の状態など、予測できない変化によって唯一無二の作品が生み出されることから高値がつくことも多々あります。
千利休の時代の茶碗は備前焼や信楽焼などの素朴でシンプルな茶碗が主流でしたが、現代ではカラフルな絵付けをした茶碗やモダンな茶碗など、さまざまなタイプの茶碗が用いられています。お招きする客人に思いを馳せながら、その人の好みやそのときの気持ち、状況に合わせて選ぶのが醍醐味のため、多様な茶碗の中から選ぶのもよいものです。お気に入りの茶碗を少しずつ集めていくのも愉しいことでしょう。

本展では、茶道の美を象徴する抹茶碗づくりに情熱を注ぎ、茶道の世界に彩りを添える4名の作家を紹介します。
彼らは、茶道の伝統技術を守りながらも、現代の茶文化を支える抹茶碗を制作しています。一部の作家は、伝統を大切にしつつも新しい感性でアートのような抹茶碗を生み出すなど、革新に挑戦しています。また、時代を超えて受け継がれてきた技法を用い、手作りで素朴な味わいを表現する作品も見どころです。セレンデュースが選んだ楽焼、京焼、絵付け、天目の4種類のおすすめ抹茶椀をぜひご覧ください。

楽焼作家 佐々木虚室(Kyoshitu Sasaki)

 

京焼・清水焼 五代 西村 德泉(Tokusen Nishimura the 5th generation

 

京焼・清水焼 陶芸作家 加藤丈尋(Takehiro Kato

 

京焼・清水焼 陶芸作家 土渕善亜貴(Yoshiaki Dobuchi)


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