セレンデュース・クラフツは、「日本の工芸品との出会いを創る」というミッションを掲げ、伝統工芸の技術を未来へ継承し、地域を活性化することを目指して活動しています。このたび、第4回目となるオンライン企画として、『京都の縁起物 幸運を招く伝統工芸品』をテーマにお届けします。
縁起物とは、そもそも「縁起」から派生した、寺社の創建に関わる説話などのことをいったそう。もっとも古いもので、奈良時代に法隆寺などの寺社の起源と財産を記した資材帳が起源だという説があります。その後、平安時代には縁起を題材とした書画や絵巻などの漢文縁起や縁起絵が登場しました。
私たちが縁起物といわれて思い描く招き猫や福達磨などは、縁日や参拝日に社寺で配られる護符などを商品化したもので、江戸時代に庶民に普及したといわれています。
縁起物の種類
現代の縁起物には、お正月や酉の市などで目にする破魔矢やお守り、熊手をはじめ、家内安全や商売繁盛、長寿などの願いを込めたさまざまなアイテムがあります。以下に代表的な縁起物をご紹介します。
招き猫: 幸運を招き、商売繁盛を象徴するアイテム。右手は金運、左手は良縁を招くとされています。
- 昇龍:運気上昇を象徴し、商売繁盛や立身出世の願いが込められています。
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達磨: 高僧の名前が由来とされ、大願成就や商売繁盛の象徴。片目を描いて願いを込め、叶った後にもう片目を描く風習があります。
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富士山: 末広がりの形から、商売繁盛や不老長寿を象徴する縁起物です。
- 打ち出の小槌:願いが叶う小槌として、商売繁盛や金運招福の意味を持つ縁起物です。
これらの縁起物は、願いや祈りが込められた象徴として、今なお人々の生活に彩りを添えています。上記以外にも、熊手や扇子、七福神をはじめ、ふくろう、うさぎ、鯉、鯛などの生き物も、日本に古来より伝わる縁起物です。
縁起物の飾り方
願いに合う、または直感で気に入った縁起物を迎え入れたら、すぐに飾りましょう。どこに飾るというルールはありませんが、お札やお守りなどは足元ではない方がよいとされています。なぜなら、見下すという意味にもとれてしまうからだとか。気持ち的には、毎日の生活の中でよく目に入る場所に置くといいでしょう。縁起物を日々愛でていると、そのパワーをきっと浴び続けられるはずです。
今回ご紹介する縁起物は、古くから幸運や繁栄を願う人々に愛されてきた「達磨」「招き猫」「兎」をテーマにした京都の工芸品です。幸運を呼ぶ縁起物の魅力と、それを支える3人の職人の技を通じて、日本文化の奥深さを感じていただける逸品ばかりです。ぜひお楽しみください。