“違和感”をフックにものづくりの魅力を伝えたい #artisan933 木原 彰夫さん

高岡の伝統工芸の美しさを取り入れ、アート作品のようなアウトドア製品を生み出している、artisan933の木原彰夫さんにお話を伺いました。

 

【1】工芸の道を志したきっかけやご自身の背景、工房の歴史や成り立ちについて

artisan933は、富山県高岡市で2019年に創業したアウトドアブランドです。創業者である木原彰夫さんは、25歳からの10年間、東京にあるアメリカのアウトドアブランドで働き、その経験を活かして東京でアパレルやアウトドア関連の会社を起業しました。その後2つ目の拠点として、自身の故郷である高岡にartisan933を立ち上げることになりました。
 
「自分は長男という事もあり、故郷で親孝行を出来るだけしたいなと思ったのが始まりです。高岡の伝統工芸の職人さんたちとの出会いによって、地元に素晴らしい伝統の技が沢山あることを知り、これをアウトドアアイテムに活かせば、世界で誰も見たことのない美しいアウトドアブランドができると確信しました」
 
使い勝手の良さなど『機能性』が求められるアウトドア用品に、高岡の伝統工芸が持つ『美しさ』という付加価値が組み合わさることで、まるでアート作品のようなアウトドアブランドが誕生したのです。
 
 
2】作品制作で大切にしていることやこだわり、作品を通じて伝えたいことや叶えたいこと

代表的なアイテムの1つであるPEG O’HASHIの見た目は、まさにテントを張るときの鉄製のペグそのものです。手に取ると予想外にふわりと軽く、それが木製のお箸であることに誰もが驚きます。その特殊な形ゆえ、機械生産ができず、職人の手作業で1枚板から透かし彫りのように11つ削り出して作られています。
 
「手に取った人が『なにこれ?』と思う作品は、作る職人も『なにそれ?笑』ってなるのですが、作っている自分たちが楽しむことが1番大切だと思っています。違和感をきっかけに、富山の文化的な魅力の奥深さを伝えていければと思っています」
 
真鍮のシェラカップは、高岡の伝統工芸士による金属への着色技術を用い、銅特有の化学反応を引き出すことで独特の発色とざらついたテクスチャーをまとわせることに成功しています。真鍮は加工時の熱で変形や破損をしやすいため、匠の技なくしては製品化が実現できない希少なアイテムです。
 
「アウトドアで一緒に過ごす誰かを、もてなす気持ちで使ってほしいですね。『こんなアイテムがあるんだ』と、そこから富山のものづくりの話に花を咲かせてもらえたらうれしいです」
 
美しい自然と、その景色をふちどるのにぴったりのアートなアイテムがあれば、今までとひと味違ったアウトドアが楽しめるはずです。


 
3】伝統技術や文化の継承のために挑戦していることやこれから挑戦したいこと


木原さんは、故郷である高岡の伝統の技に触れたことで、日本のものづくりの美しさや奥深さに魅せられたと語ります。
 
「高岡のアウトドアといえばartisan933と言ってもらえるような新しいものづくりと同時に、地方創生のために富山のキャンプ場のプロデュースなどにも力を入れています。これからも東京と富山を行き来しながら、アウトドアをキーワードに伝統工芸の魅力を伝え、故郷を盛り上げていきたいですね」
 
木原さんの言葉からは、日本のものづくりが高岡から新しく変わり世界へと広がっていく、そんな未来への原動力が感じ取れます。
 

 

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