絶えず捉え続ける沖縄の自然を、絵筆で開放し表現 #山田真萬さん

沖縄の自然のエネルギーがあふれるやちむんづくりを続ける、陶芸家の山田真萬さんにお話を伺いました。

 


 
【1】工芸の道を志したきっかけやご自身の背景、工房の歴史や成り立ちについて
山田真萬さんは、両親が画家で、幼少期から常に絵筆や粘土のある環境で育ち、そこで遊ぶうちに興味をもったのが焼き物だったそうです。戦後の壺屋焼きを代表する故小橋川 永昌氏に師事した後、読谷村に窯を開いたのは1979年のこと。以来、日本のみならず海外でも個展を開催する、沖縄を代表する陶芸家の1人です。工房を構えるやちむんの里にあるギャラリーを訪れると、格式高くも、沖縄の自然のエネルギーが凝縮された作品に目を奪われます。

 

 
【2】自らの五感を刺激するために取り組んでいることや意識していること

絶えず捉え続ける沖縄の自然を、絵筆で開放し表現 #山田真萬さん

作陶する中で、インスパイアされているものは沖縄の自然だと語ります。絵付けは、光や風の動き、虫の音、自然の状況が伝わってくる屋外で行い、自分を取り囲む自然を受け入れながら、集中し自らを開放して筆を動かします。
 
 「沖縄の強い日差しの中で育った植物は、色も鮮やかで、輪郭もはっきりとしています。海を泳ぐ魚も同じで原色に近いです。自然と共に暮らす沖縄の人々には、無意識にそんな色彩感覚が染み付いていて、自ずと影響を受けているのだと思います。自分の身近なものを絶えずしっかりと見て捉えることが、やきものの基本です。そして、やきものは全体を表現するもの。空や海の表情、風や夕陽、人の動きなど、ひとつひとつの色彩や形が全体に通じていて、融合した時に表現となるのだと考えています」
 
日常で目にするものや感じたことが、記憶の中にとどまり、やがて作品となって生まれてくるのだとか。器で表現される壮大な世界感は、自然とつながりながら生きる毎日の中からもたらされるのです。

 

 
【3】作品制作で大切にしていることやこだわり、作品を通じて伝えたいことや叶えたいこと

絶えず捉え続ける沖縄の自然を、絵筆で開放し表現 #山田真萬さん


30代後半の頃は無地の美しさを追い求めていたといいます。大きな転機となったのは、日本民藝館の柳宗理さんや鈴木繁男さんの「やりたいと願ったことに向かって、一途に前へ進んでください」という言葉です。やがて鮮やかな顔料で、筆使いも大胆に絵付けをしていく今のスタイルを極めていくことなります。
 
代表作は赤を用いて絵付けされた『赤絵』です。大地の情熱的な赤い色が好きだという山田さんの、ダイナミックな筆使いと豊かな色彩感覚は、エネルギーで満ちあふれ、見ているだけでも楽しい作品です。沖縄の開放された空のもと、暖かい風を受けながら制作する山田さんの器は、その気持ちと同じく絵付けのおおらかさで人々を魅了し続けます。
 
 
 

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