【Kickstarter公開特集No.6】「小抽斗」と「鍋敷き」の特徴について(後編)

 前編に続き、後編です。

  

④植物由来の天然塗料「漆」を塗りに使用

「漆」は、ウルシの樹の樹液から作られた天然の塗料です。

 木製の家具や食器などは、そのままだとカビや腐食、昆虫などによる食害で傷んでしまいます。

 漆には、抗菌・抗カビ・消臭効果があり、耐水性や耐熱性にも優れているため、表面に漆を塗ることで、家具や食器の強度や耐久性が増し、100年以上の使用が可能になるのです。

 こうした機能面に加え、漆は装飾用の塗料としても美しい光沢が現れ、さらに年月が経つほどその美しさが増していきます。

 漆塗りの商品によっては、作られてから20年後がもっとも美しくなるといわれています。

 そのため、古くから日本の漆器は高級品として世界中に輸出されていました。

 岩手県は古くから漆の名産地であり、平泉文化の優美さを漆塗りが支えていたといわれています。

 その地元・岩手県産の漆を、本体の外側に5~6回も重ね塗りしているのが、「岩谷堂箪笥」の大きな特徴の一つです。

 漆塗りは、家具の表面に何度も塗っては拭い、磨くということを繰り返すため、とても手間と時間がかかる工程になります。

 しかし、漆は温度や湿度の変化に応じて変化し、いつまでも弾力性を保ち続けます。

 そのため「岩谷堂箪笥」は、使えば使うほど漆が落ち着いて、深い味わいやツヤが生まれ、耐久性や風情が増していくのです。

 

 

⑤アートの領域にまで高めた南部鉄器による華麗な金具の装飾

 

ほかの和箪笥にはない「岩谷堂箪笥」ならではの特徴として、金具による装飾があります。

 金具には、下絵が描かれた鉄板や銅板を金槌や鏨(たがね)などを使って丹念に打ち出していって模様を作る「手打金具」と、それをもとに作った鋳型に鉄を流し込んだ「南部鉄器金具(鋳物金具)」の2種類があり、今回の「小抽斗」と「鍋敷き」には「南部鉄器金具(鋳物金具)」を使用しています。

 南部鉄器は、岩手県の盛岡や岩谷堂周辺で作られている伝統的な鉄器の工芸品で、今海外で高い人気を集めています。パリでは、南部鉄器の鉄瓶でお茶を提供するティーサロンが話題になるなど、一大ブームになっています。 

100年以上の使用に耐える耐久性

 今、大量に作って使い捨てられるファスト商品が、問題になっています。

 限られた資源を有効に活用し、できた製品を長く使う方が、製造過程で排出する温室効果ガスやゴミ、廃棄物の削減につながり、環境や自然に、そして人にも優しいというのは、もはや世界の常識といっても良いでしょう。

 一方日本では、たとえば割れた茶碗をつなぎ合わせて修復する「金継ぎ」という技術が象徴するように、大切な日常用品を長く、丁寧に使う文化が根付いています。

「もったいない」という日本語は、いまやグローバルスタンダードになっているといえるでしょう。

 「岩谷堂箪笥」の「小抽斗」と「鍋敷き」は、天然の素材を使用し、頑丈でシンプルなつくりであるため、ていねいに扱えば100年以上も使用することが可能です。

 良いものを大切に長く使うということ、親から子へ、そして孫へと使いつないでいくことが、「岩谷堂箪笥」の「小抽斗」と「鍋敷き」が大事にしていることです。

 

⑦ライフスタイルに合わせて使い方自由

 伝統工芸品でありながら、「岩谷堂箪笥」の「小抽斗」と「鍋敷き」の使い方は自由自在。

 キッチンでも、寝室でも、そして屋外でも、自分の暮らしにあわせて好きな使い方、好きな組み合わせができます。

 もちろん、何を収納するかは自由ですし、室内のインテリアの一部としてもモダンライフにマッチします。

 

 

 

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