【Kickstarter公開特集No.3】「岩谷堂箪笥」その特徴と歴史について

  衣類や小物、食品、薬そして刀まで、日本には様々なものを収納する家具「和箪笥」があります。和箪笥は木材でできており、高温多湿の日本の気候に合わせて、気密性と通気性に優れています。

 また、収納家具としてだけでなく、その頑丈さから金庫として使用したり、積み重ねて階段にしたり、火事の時に持ち出せるよう車輪を付けた「車箪笥」など、「和箪笥」は生活道具として日常生活のいろんなシーンで活用されてきました。

 現代においても、長い耐用年数と美しい装飾を施した和箪笥は、結婚するときの嫁入り道具にもなっています。

「岩谷堂箪笥」は、もともとは12世紀ころに京都から岩谷堂の地に伝わったとされています。

 その後1770年代に発生した大飢饉を契機に、お米と交換するための商品を開発しようと、産業振興策の一環として箪笥や長持などが作られるようになりました。

 時の領主から岩谷堂箪笥の開発を命じられたのが、藩のおかかえ大工・初代三品茂左衛門で、その流れを引く12代目、13代目の三品家主人が、現在の岩谷堂タンス製作所を率いています。

「岩谷堂箪笥」の特徴は、①素材(ケヤキ、キリなどの天然の木材)、②塗り(漆塗り)、③金具による装飾にあります。 

「岩谷堂箪笥」は単なる工芸品ではありません。一定の地域で少数の職人により、伝統的な技術・技法また原材料を用いて、主に手工業によって製造された日常生活に使われる工芸品として、経済産業省が認定する「伝統的工芸品」に指定されています。

「伝統的工芸品」に認定されるには、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づき、技術や原材料などが100年以上継承されていることなど、厳格な条件をクリアしなければなりません。

 現在「伝統的工芸品」を名乗ることができる工芸品は、各都道府県に数点ずつしか存在しません。

 今回商品を提供する株式会社岩谷堂タンス製作所は、1782年の創業以来、240年以上にわたって岩谷堂箪笥を製造してきました。

 現在においても、13代目の主人を中心に、伝統的な手法で職人たちが岩谷堂箪笥を作り続けています。

 その職人たちの多くが、第24回日本伝統工芸士会で「経済産業大臣賞」を受賞した工場長の菊地裕一氏をはじめ、経済産業省認定の「伝統工芸士」などの資格を有しています。

 

*「伝統工芸士」=経済産業大臣指定の「伝統的工芸品」の製造に直接従事し、12年以上の実務経験を有し、原産地に居住している者だけが受験可能で、合格した者に与えられる国家資格。

 

 

 

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