リアルな生活への緻密な観察から生まれる暮らしの器 #永峰窯 長崎隆紘さん

現代の生活に合ったスタイリッシュでカラフルなデザインの器づくりを続ける、永峰窯の長崎隆紘さんにお話を伺いました。

 


 
【1】工芸の道を志したきっかけやご自身の背景、工房の歴史や成り立ちについて

リアルな生活への緻密な観察から生まれる暮らしの器 #永峰窯 長崎隆紘さん

永峰窯は1936年に長崎県波佐見町にて創業しました。当時は熊本県産の天草陶石を用いて『白磁染付』をメインに製造し、和食器や割烹食器を量産するために100人以上の職人を抱えていたそうです。しかし、2000年頃からは波佐見焼全体の出荷量が減少し、永峰窯も全盛期の1/3の量にまで落ち込み、後継者がいなければ窯元をたたむことを考えるまでとなりました。
 
そんな窯元の家に三男として生まれた長崎隆紘さんは、兄が跡継ぎになるものと考え、高校卒業後は居酒屋や工場での勤務やミカン農家の手伝いなど、職を転々とします。そのうち「自分にしか出来ないことってなんだろう?」と考えるようになり、誰も窯元を継がない様子をみて、生まれた時から身近にあった焼き物をはじめてみることに。2223歳頃、絵付けやろくろの技術を学びながら、過去の陶芸家の作品を調べるうちに、20世紀後期にイギリスで活躍した陶芸家、ルーシー・リーの作風に深く共鳴したことが、陶芸家への道を決意させるきっかけとなったといいます。
 
「陶芸家本人が生きた時代を過ぎてもなお、現代の人が魅力を感じ、その器を手に入れたいと思わせる作品作りが出来るのは、焼き物だからこそだと確信したのです。美しい器は100年でも200年でも残る可能性があることに、やりがいを感じています」
 
創業当時からの厳選された素材や原料を使用しながら、現代の生活に合ったスタイリッシュでカラフルなデザインを実現していく、自分ならではの焼き物作りに挑む視線は、ずっと先の未来をも見据えているのです。

 

 
【2】自らの五感を刺激するために取り組んでいることや意識していること

リアルな生活への緻密な観察から生まれる暮らしの器 #永峰窯 長崎隆紘さん


長崎さんは普段から焼き物業界の情報だけではなく、アートやアパレル、建築など『日常』に関わるモノを幅広く見るようにしているといいます。
 
SNSで主婦の方の料理写真を見て、今どんな家庭料理が作られているのかをリサーチしたり、住宅やインテリアの展示会に出向いたりして、リアルな生活事情を知るようにしています。例えば、昔に比べて今の食器棚はとてもコンパクトです。しまいやすい器のサイズや、重ねやすい形などを発想するヒントがそこにあります」
 
緻密な日常観察は、自身が作りたいモノと世の中が求めているモノの共通点探しでもあり、そこから暮らしの中に長く寄り添える器が生まれてくるのです。
 

 

【3】作品制作で大切にしていることやこだわり、作品を通じて伝えたいことや叶えたいこと

リアルな生活への緻密な観察から生まれる暮らしの器 #永峰窯 長崎隆紘さん

長崎さんは、波佐見焼の伝統技術を継承しながらも、時代の流れと共に大胆に作風を変化させています。
 
「以前は白磁に染付をする器が主流でしたが、今は『現代的な形と自然の中にある色の中和』をテーマに、釉薬とフォルムにこだわった器づくりをしています。マットな質感を作るのは温度設定が難しく、軌道に乗るまでは苦労もありましたが、波佐見焼の中で独自性を出せる表現でもあります。今後もオリジナルのカラーや、焦げ感などの独特の質感を釉薬研究から見つけ出したいと思います」
 
ひとつひとつ丁寧に、情熱と手間ひまをかけて作り上げられる長崎さんの器には「シンプルで使いやすい器で少しでもお客様の暮らしを豊かにしたい」という願いが込められています。

 


 
【4】伝統技術や文化の継承のために挑戦していることやこれから挑戦したいこと


今後はテーブルウェアの作品をさらに充実させるために、グラスやお椀など焼き物以外の制作にも挑戦してみたいそうですが、同時に焼き物の町である地元を活性化することにも心を寄せています。
 
「波佐見焼に携わる職人の人口は年々減っています。波佐見焼の伝統技術や文化を大切にしながら、職人として若い世代である自分だからこそできる作品でその美しさを届け続け、地元を盛り上げていきたいです」
 
長崎さんの時代を越えて愛されるものづくりは、自分の美意識を信じる心と新しい表現への探求心が原動力になっています。
 

 

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